「差別と日本人」

バサラブックスの100円コーナーで購入、読了。

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)

この本を読んで野中広務すごいなと思ったのは、辛淑玉が野中のやってきた差別や社会的ギャップを減らすための政策に対して「まだ在日にはこんな差別が残っているんですよ」と言うのに対して「ああ、それは知らなかった」「認識が足りなかった」と応答するところだった。
自分のやってきた仕事に対して「それでは不十分だ」と言われて素直にこう返事ができるのは、例えそれが対談という場であっても、野中は大したものだと自分の仕事を振り返って思った。
自分が人並み以上に理解している分野で他人に不備を指摘されれば、「いやそれは○○で」とか「そうは言ってもねぇ」とか反論したくなるのが人の常だとおもうのだが、そこで、まだ自分の認識できていない面があると咄嗟に考えることができる想像力というのは大事だ。
ことに差別という場面では、想像を超えた人の醜さみたいなものが現れるわけで、そういうものが存在するであろうと想像する力が政治家にとって必要なはずだと私は思うのだが、残念なことに今の政権にはそれとは正反対の人ばかりだよな。